前例のない暗号通貨に関わる会計処理:メタップス

東証マザーズに上場しているメタップスの暗号通貨(仮想通貨)に関わる会計処理問題、めちゃ興味あります。

メタップスが昨年実施したICO (Initial Coin Offering)の会計処理について、世界どこを探しても前例がないので、担当の監査法人もどうしてよいのか頭を抱えて。。。


ブロックチェーン、ビットコイン、Ethereum、この技術革新に金融庁、Big4会計事務所、国税庁、全くついていけてないです。

このメタップスのCEO佐藤航陽さん著「お金2.0」、フィンテックや暗号通貨のこれからについてすごく分かりやすく書かれた良書で、読破後はメタップスの事業にも興味津々。

ICOについては大手町のランダムウォーカーさんのtweetが分かり易い。

ついでにICOの仕訳についても参考までに。

以前勤めていたBig4会計事務所の一つ、Ernst&YoungではEY GAM (Global Audit Methodology、監査手法の教本、ルールブック)なるものがあり、例えば現預金の監査を行うにしても現預金とはどういうものを指すのか明確な説明があり、現預金監査のいろは(前年度との比較増減分析とか実際に金庫を空けて手元預金を数える実査など)も事細かに示され、GAMの教え通りに監査手続を行えば問題なしの世界です。既存の経済活動に関わる勘定科目は全て網羅されており、私が勤めていた10年ほど前は暗号通貨などはもちろん存在していなかったので、常にこのルールブック片手に特段問題なく監査してました。

ちなみに特段という言葉は監査法人で覚えました。監査手続終了後に、問題なしって記載すると100%問題ないのかってニュアンスになってしまうので、特段問題なしとなんとなくぼかして意見する必殺技です(キリッ

Big4グローバルでもICOとか暗号通貨の会計処理について、現時点で明確なガイドラインは無い状況で、日経の記事でも会計士が前例ないからどの勘定科目に計上すべきか見当がつかないと述べてますね。

前例、ケーススタディがないとクライアント企業が行った会計処理が妥当かどうか判断すらできない状況です。創造力を発揮する職種ではないので、どうしようもないです。

NEWSPICKSで佐藤さんはこのように述べております。

”監査法人(正確にはグローバル本体)の意思と指示の通りに処理したので、こちら側の意思でも何でもないです。国際金融ルールは欧米が仕切ってるのがよく理解できました。明確なある意思のもとに動いてんだな、と。”

日本の監査法人はグローバル本体(欧米に本社のある)へ多額の上納金を支払い、そのグループの持つブランドを掲げ日本支部として活動していて、常にグローバルの顔色を伺っているのが実態。あと建前として会計処理方法を監査法人が指示してはいけなく、あくまで独立した監査法人として監査することになってますが、実務では頻繁にクライアントから会計処理について質問が来て、ケーススタディやルールブックに基づいて指示していました。

とにもかくにも世界を見渡しても前例のない、あたらしい価値を試行錯誤しながら世に産み出し、攻め続けているのは凄いです!会計基準も国際会計基準(IFRS)だし。

監査法人との協議難航とか、上場ってめんどくさいですね。企業、組織、個人がICOで独自の通貨を発行し暗号通貨と交換できる世界では、株式上場の意義がなくなっていくのでしょうか。上場しなければ多額な費用と時間のかかる上場監査も必要ないですし。

ブロックチェーン、暗号通貨、時代が加速度的に変化していきますが、農業はどのように変化して人々の食を支えていくのかな。

最近は物流コストが高騰していて直販するには頭が痛い問題ですが、例えばブロックチェーンを利用することにより、個々のドライバーへ運賃を即座に払うことができ、個々のドライバーの集合体ができ、企業体である運送業者が消滅し、運送コストも大幅に抑えることができるとか、ここに自動運転も絡んでと、この先革新が起きると信じ、日々の販売と生産に力をいれていきます!

あっ、「お金2.0」、シェアリングエコノミーについても詳しく述べています!どんな世界になるのか、わくわくです^^

前例のない会計処理に留まらず、前例のない時代へ変革していくのかな!

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